Friday, April 10, 2020

Tales of Old Japan こぶ とり じいさん THE ELVES AND THE ENVIOUS NEIGHBOUR



こぶ とり じいさん

THE ELVES AND THE ENVIOUS NEIGHBOUR

(こぶ:wen)



むかし むかし の こと です。

Once upon a time

やま の なか で

 が れて しまい

there was a certain man, who, being overtaken by darkness among the mountains,

おじいさん は 仕方しかたなく

 の みき の あな を さがして

なか に はいり ました。

was driven to seek shelter in the trunk of a hollow tree.

すると

夜中よなか に なって

そこ へ

たくさん の おに が あつまってた の です。

In the middle of the night, a large company of elves assembled at the place;

あな から のぞいて て いた おじいさん は

びっくり して しまい ました。

and the man, peeping out from his hiding-place, was frightened out of his wits.

しばらくすると

おにたち は

べたり さけ を んだり し はじめ ました。

After a while, however, the elves began to feast and drink wine,

うたったり おどったり して

たのしそうに さわぎ はじめた の です。

and to amuse themselves by singing and dancing,

おじいさん も

おそろしい の を わすれて しまい

つい つられて

あな から はい

さわぎ に くわわり ました。

until at last the man, caught by the infection of the fun, forgot all about his fright, and crept out of his hollow tree to join in the revels.

 が け かけた ころ

おにたち が

おじいさん に い ました。

When the day was about to dawn, the elves said to the man,

『おまえ は たのしい やつ だな。

"You're a very jolly companion,

 また 

 一緒いっしょ に おどって くれ。

and must come out and have a dance with us again.

 る と 約束やくそく して くれ。

 絶対ぜったい 約束やくそく を まもって くれ』

You must make us a promise, and keep it."

おにたち は

かならず おじいさん が もどって る ように と

おじいさん の ひたい の おおきな こぶ を とって

おじいさん の わり に あずかる こと に し ました。

So the elves, thinking to bind the man over to return, took a large wen that grew on his forehead and kept it in pawn;

それから

おにたち は

その  を って

かえってき ました。

upon this they all left the place, and went home.

おじいさん は

たのしい よる を すごして

おまけに こぶ も なくなって

大喜おおよろこび で あるいて かえり ました。

The man walked off to his own house in high glee at having passed a jovial night, and got rid of his wen into the bargain.

***

おじいさん は

この はなし を みんな に し ました。

So he told the story to all his friends,

みんな は

おじいさん の こぶ が なおった こと を

よろこび ました。

who congratulated him warmly on being cured of his wen.

***

ところで

ちかく に もう 一人ひとり

ながあいだ こぶ に こまって いる おじいさん が

んで い ました。

But there was a neighbour of his who was also troubled with a wen of long standing,

その おじいさん は

この しあわせな はなし を いて

うらやましく なり ました。

and, when he heard of his friend's luck, he was smitten with envy,

それで

その  の あな を さがし に かけ

つける と

なか に はいって よる を ごし ました。

and went off to hunt for the hollow tree, in which, when he had found it, he passed the night.

夜中よなか ちかく に

おもった とお

おにたち は やって ました。

Towards midnight the elves came, as he had expected,

おにたち は

まえ と おなじ ように

べたり んだり

うたったり おどったり し はじめ ました。

and began feasting and drinking, with songs and dances as before.

かれ は これ を 

まえ の おじいさん が やった の と おなじ ように

あな から 

おどったり うたったり し ました。

As soon as he saw this, he came out of his hollow tree, and began dancing and singing as his neighbour had done.

おにたち は

かれ を

まえ の おじいさん と 勘違かんちがい し ました。

The elves, mistaking him for their former boon-companion,

それで

また えた こと を よろこんで

い ました。

were delighted to see him, and said--

『おまえ は

 ちゃんと 約束やくそく を おぼえて いた。

 おまえ は いい やつ だ。

"You're a good fellow to recollect your promise,

 だから

 おまえ から あずかった もの を

 かえして やろう』

and we'll give you back your pledge;"

おに は そう って

ふところ から

あずかって いた こぶ を 

so one of the elves, pulling the pawned wen out of his pocket,

かれ の ひたい の

もう ある こぶ の うえ に

つけ ました。

stuck it on to the man's forehead, on the top of the other wen which he already bad.

ひと を すぐ ねたむ

この おじいさん は

ひとつ では なく ふたつ こぶ を つけて

き ながら

かえってき ました。

So the envious neighbour went home weeping, with two wens instead of one.

***

ひと は

他人たにん の 幸運こううん を る と

自分じぶん も それ を しく なって しまう

という い 教訓きょうくん です ね。

This is a good lesson to people who cannot see the good luck of others, without coveting it for themselves.





Reading Japanese Literature in Japanese
This series is for the people/students who want to learn Japanese.




Saturday, April 4, 2020

Tales of Old Japan さる かに 合戦 THE BATTLE OF THE APE AND THE CRAB



さる かに 合戦がっせん

THE BATTLE OF THE APE AND THE CRAB



むかし むかし

ある ところ に

かに が んで い ました。

Once upon a time there was a crab who lived in a marsh in a certain part of the country.

ある

かに は

おにぎり を ひろい ました。

It fell out one day that, the crab having picked up a rice cake,

すると

かき の たね を った さる が

やって きて

an ape, who had got a nasty hard persimmon-seed, came up,

かに に

い ました ……

おにぎり と え よう。

and begged the crab to make an exchange with him.

かに は

さる の う とおり に し ました。

The crab, who was a simple-minded creature, agreed to this proposal;

さる と かに は

それぞれ って しまい ました。

and they each went their way,

さる は

いい き を した と

くすくす わらい ました。

the ape chuckling to himself at the good bargain which he had made.

かに は いえ に かえる と

かき の たね を

にわ に え ました。

When the crab got home, he planted the persimmon-seed in his garden,

やがて

 が 

おおきな  に なり ました。

and, as time slipped by, it sprouted, and by degrees grew to be a big tree.

かに は

 が そだつ の を たのしみ に して

て い ました。

The crab watched the growth of his tree with great delight;

 が なった ので

ろう と して いる と

but when the fruit ripened, and he was going to pluck it,

さる が やって ました。

さる は

かわりに とって やろう

と い ました。

the ape came in, and offered to gather it for him.


かに が うなずく と

さる は  に のぼって

かき を

べ はじめ ました。

The crab consenting, the ape climbed up into the tree, and began eating all the ripe fruit himself,

って いる かに には

まだ しぶい かき を

とした だけ でした。

while he only threw down the sour persimmons to the crab, inviting him, at the same time, to eat heartily.

かに は おこって

さる を だまして やろう

と おもい ました。

The crab, however, was not pleased at this arrangement, and thought that it was his turn to play a trick upon the ape;

かに は

さる に

あたま から りてくる ように

い ました。

so he called out to him to come down head foremost.

さる は われた とおり

あたま から りて  ました。

The ape did as he was bid; and as he crawled down, head foremost,

すると

って いた かき が

ふところ から

ころがり ました。

the ripe fruit all came tumbling out of his pockets,

かに は それ を ひろって

あな に んで

かくれ ました。

and the crab, having picked up the persimmons, ran off and hid himself in a hole.

それ を て いた さる は

せ を して

The ape, seeing this, lay in ambush,

かに が

る と

みつけ ました。

そして いえ に かえってき ました。

and as soon as the crab crept out of his hiding-place gave him a sound drubbing, and went home.

その とき

たまご と はち と こめうす が

とおり かかり ました。

Just at this time a friendly egg and a bee, who were the apprentices of a certain rice-mortar, happened to pass that way,

かわいそうな かに を 

きず の 手当てあて を して

いえ に れてき ました。

and, seeing the crab's piteous condition, tied up his wounds, and, having escorted him home,

そこで

ひどい さる の 仕返しかえし を

計画けいかく し ました。

began to lay plans to be revenged upon the cruel ape.

計画けいかく が まる と

みんな は

さる が い ない あいだ に

さる の いえ に き ました。

Having agreed upon a scheme, they all went to the ape's house, in his absence;

みんな には 役割やくわり が あり

さる が かえってくる の を

それぞれ

かくれて ち ました。

and each one having undertaken to play a certain part, they waited in secret for their enemy to come home.

そんな こと は ら ず

さる は いえ に かえってき ました。

The ape, little dreaming of the mischief that was brewing, returned home,

ちゃ を む ため に

囲炉裏いろり の  を

こそう と し ました。

and, having a fancy to drink a cup of tea, began lighting the fire in the hearth,

そのとき

はい の なか に かくれて いた たまご が

いきなり

ねつ で はじけ ました。

when, all of a sudden, the egg, which was hidden in the ashes, burst with. the heat, and bespattered the frightened ape's face,

さる は

『なんて こった』 と さけび ながら

げ ました。

so that he fled, howling with pain, and crying, "Oh! what an unlucky beast I am!"

さる は

いえ の うら に こう と し ました。

Maddened with the heat of the burst egg, he tried to go to the back of the house,

すると

はち が

とだな から し ました。

みんな に くわわって いた こんぶ も

一緒いっしょ に し ました。

さる は かこまれ ました。

when the bee darted out of a cupboard, and a piece of seaweed, who had joined the party, coming up at the same time, the ape was surrounded by enemies.

さる は

たんす に つかまって

しばらく たたかい ました。

In despair, he seized the clothes-rack, and fought valiantly for awhile;

しかし

一匹いっぴき では かなわ ない ので

し ました。

みんな

いかけ ました。

but he was no match for so many, and was obliged to run away, with the others in hot pursuit after him.

しかし

さる が うら の  まで げた とき

こんぶ が

さる の あし を ひっかけ ました。

さる は こけ ました。

Just as he was making his escape by a back door, however, the piece of seaweed tripped him up,


うす が

うしろ から ちかづいて

さる を つぶし ました。

and the rice-mortar, closing with him from behind, made an end of him.

かに は

仕返しかえし を した ので

よろこんで で うち に かえり ました。

So the crab, having punished his enemy, went home in triumph,

それから

かに は

こんぶ や うす と

仲良なかよく らし ました とさ。

めでたし、めでたし。

and lived ever after on terms of brotherly love with the seaweed and the mortar. Was there ever such a fine piece of fun!





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This series is for the people/students who want to learn Japanese.




Monday, March 30, 2020

Japanese Ghost Stories 破られた約束 Of a Promise Broken



やぶられた 約束やくそく

Of a Promise Broken

Lafcadio Hearn (Koizumi Yakumo)


〔一〕

わたし は

 ぬ の は こわく あり ません』

"I AM not afraid to die."


に かけて いる つま が

い ました。

said the dying wife;


『ただ ひと

  に なる こと が あり ます。

"there is only one thing that troubles me now.


 わたし の かわり に

 この うち へ だれ が る の か


 それ が り たい の です』

I wish that I could know who will take my place in this house."


かなしんで いる おっと は

こたえ ました。


だれ も

 おまえ の かわり は  ない。

"My dear one," answered the sorrowing husband, "nobody shall ever take your place in my home.


 もう けっして、けっして 再婚さいこん は し ない』

I will never, never marry again."


その とき


かれ は

こころ から そう おもって


はなして い ました。

At the time that he said this he was speaking out of his heart;


いま うしない かけて いる おんな を

あいして いた から です。

for he loved the woman whom he was about to lose.


武士ぶし の ちかい に かけて?』

"On the faith of a samurai?"


かすかに ほほみ ながら


彼女かのじょ は

たずね ました。

she questioned, with a feeble smile.


武士ぶし の ちかい に かけて』

"On the faith of a samurai,"


かれ は


彼女かのじょ の 青白あおじろい やせた かお を

で ながら


こたえ ました。

he responded, stroking the pale thin face.


『それなら、あなた ……』


彼女かのじょ は

い ました。

"Then, my dear one," she said,


わたし を

 にわ に めて ください ね?

"you will let me be buried in the garden, will you not?


 あの むこう の すみ の

 私逹わたしたち が えた あの うめ の  の

 ちかく に。

near those plum-trees that we planted at the further end?

うめ:plum-trees

 ずっとまえ から

 この こと を たのみ たかった の です。

I wanted long ago to ask this;


 でも

 もし あなた が 再婚さいこん する の なら


 そんな ちかい ところ に はか が ある の は

 いや だろう


 と おもった の です。

but 1 thought, that if you were to marry again, you would not like to have my grave so near you.


 もう

 再婚さいこん し ない と


 あなた が 約束やくそく して くれた から

Now you have promised that no other woman shall take my place;


 わたし は


 遠慮えんりょし ないで

 おねがい を し ます。

so I need not hesitate to speak of my wish. ...


 わたし を にわ に めて しい。

I want so much to be buried in the garden.


 そう すれ ば

 時々ときどき あなた の こえ が ける でしょう。

I think that in the garden I should sometimes hear your voice,


 それに


 はる に なったら

 はな が られる でしょう』

and that I should still be able to see the flowers in the spring."


『おまえ が のぞむ ように しよう』

"It shall be as you wish,"


かれ は こたえ ました。

he answered.


『しかし

 いま は


 そんな んで から の はなし は

 めよう、

"But do not now speak of burial:


 もう 希望きぼう が ない という ほど

 ひどい わけ じゃ ない の だから』

you are not so ill that we have lost all hope."


駄目だめ なの』

"I have,"


彼女かのじょ は

こたえ ました。

she returned;


今朝けさ の うち に

 に ます。

"I shall die this morning. . . .


 でも

 にわ に めて くれ ます ね』

But you will bury me in the garden? "


『わかった』

"Yes,"


かれ は い ました。

he said, --"


私達わたしたち が えた

 うめ の  の かげ に ……

under the shade of the plum-trees that we planted;


 そして

 そこ に 立派りっぱな はか を つくろう』

--and you shall have a beautiful tomb there."


『それから

 ちいさな すず を ひと


 ください』

"And will you give me a little bell?"


すず?』

"Bell --?"


『はい、


 ひつぎ の なか へ


 ちいさな すず を

 れて ください。

"Yes: I want you to put a little bell in the coffin,

ひつぎ:coffin

 お遍路へんろさま の って いる ような

 ちいさな すず ……

--such a little bell as the Buddhist pilgrims carry.

■お遍路へんろ:Buddhist pilgrims

 そんな すず を ください』

Shall I have it? "


ちいさな すず を あげよう。

"You shall have the little bell,


 なにか ほか

 しい もの は?』

--and anything else that you wish,"


ほかには なにも あり ません』

"I do not wish for anything else,"


彼女かのじょ は い ました。

she said.


『あなた ……

. . "My dear one,


 あなた は

 いつも わたしに とても やさしく して くれ ました。

you have been very good to me always.


 もう

 しあわせ に ね ます』

Now I can die happy."


それから


つま は  を じて

に ました。

Then she closed her eyes and died--


それ は

まるで


つかれた 子供こども が ねむる ように

やすらか でした。

as easily as a tired child falls asleep.


んだ 彼女かのじょ は

うつくしく

She looked beautiful when she was dead;


かお には

ほほみ が かんで い ました。

and there was a smile upon her face.


***


彼女かのじょ は


にわ の、

きだった  の かげ に


められ ました。

She was buried in the garden, under the shade of the trees that she loved;


ちいさな すず も 一緒いっしょ に

められ ました。

and a small bell was buried with her.


はか の うえ には


家紋かもん と 戒名かいみょう の られた

立派りっぱな 石碑せきひ が


てられ ました。

Above the grave was erected a handsome monument, decorated with the family crest, and bearing the kaimyo:

家紋かもん:family crest ■戒名かいみょう:a posthumous Buddhist name

戒名かいみょう は

慈海じかいいん梅花ばいか明影みょうえい大姉だいし』 と られて い ました。

--"Great Elder Sister, Luminous-Shadow-of-the-Plum-Flower-Chamber, dwelling in the Mansion of the Great Sea of Compassions"


しかし


つま が んで

一年いちねん も たた ない うち に

But, within a twelve-month after the death of his wife,


さむらい の 親戚しんせき や 友人ゆうじん は、


かれ に

再婚さいこん を すすめ はじめ ました。

the relatives and friends of the samurai began to insist that he should marry again.


『おまえ は まだ わかい』

"You are still a young man,"


彼等かれら は い ました。

they said,


『それに 一人ひとり 息子むすこ だ、

"and an only son;


 子供こども も い ない。

and you have no children.


 さむらい には

 結婚けっこん する 義務ぎむ が ある。

It is the duty of a samurai to marry.


 子供こども が い ない まま んで しまったら


 だれ が


 先祖せんぞ を まつったり、

 そなもの を あげたり する のだ?』

If you die childless, who will there be to make the offerings and to remember the ancestors? "

そなもの:offerings


***


そんな こと を たくさん われ


かれ は とうとう

再婚さいこん を 説得せっとく された の です。

By many such representations he was at last persuaded to marry again.


花嫁はなよめ は

わずか 十八じゅうはち でした。

The bride was only seventeen years old;


そして


にわ の はか の

無言むごん の 非難ひなん にも かかわらず、


彼女かのじょ を

こころ から あいする ように なって き ました。

and he found that he could love her dearly, notwithstanding the dumb reproach of the tomb in the garden.


***


〔二〕

再婚さいこん して 七日目なのかめ まで は、


わかい つま の 幸福こうふく を

さまたげる ような こと は


なにも き ません でした。

Nothing took place to disturb the happiness of the young wife until the seventh day after the wedding,


七日目なのかめ に

おっと は


よる

しろ に い なけれならない 仕事しごと を


めいじられ ました。

--when her husband was ordered to undertake certain duties requiring his presence at the castle by night.


それ は


つま を

いえ に 一人ひとり のこして か なければならない


はじめて の よる でした。

On the first evening that he was obliged to leave her alone,


つま は


なにか 説明せつめい でき ない 不安ふあん を

かんじ ました。

she felt uneasy in a way that she could not explain,


理由りゆう は わからない の です が、

ばくぜんと こわかった の です。

--vaguely afraid without knowing why.


とこ に ついても

ねむれ ません でした。

When she went to bed she could not sleep.


なんとなく


あたり の 空気くうき が

みょうに 重苦おもくるしかった の です。

There was a strange oppression in the air,


それ は

あらし の まえ に 時々ときどき おとずれる ような


言葉ことば に でき ない

重苦おもくるしさ でした。

--an indefinable heaviness like that which sometimes precedes the coming of a storm.


***


うしこく に、

彼女かのじょ は


そと の 暗闇くらやみ の なか で

すず が る の を


き ました。

About the Hour of the Ox she heard, outside in the night, the clanging of a bell,


うしこく:2 a.m.

それ は

遍路へんろ の すず でした。

--a Buddhist pilgrim's bell;


どんな お遍路へんろ が


こんな 時間じかん に

さむらい の 屋敷やしき の あたり を

とおる の だろう か


と 彼女かのじょ は 不思議ふしぎに おもい ました。

--and she wondered what pilgrim could be passing through the samurai quarter at such a time.


屋敷やしき:mansion

やがて、

しばらく しずか に なり


それから

すず は もっと ちかくで ひびき ました。

Presently, after a pause, the bell sounded much nearer.


あきらかに


遍路へんろ は

その いえ に ちかづいてる の です。

Evidently the pilgrim was approaching the house;


しかし


どうして

みち の ない、いえ の うら から

ちかづいてる の でしょうか?

--but why approaching from the rear, where no road was?


突然とつぜん


いぬ が

奇妙きみょうに そして なにか を おそれる ように


あわれな ごえ を あげ、

そして、はじめた の です。

. . . Suddenly the dogs began to whine and howl in an unusual and horrible way;


そして


悪夢あくむ の ような 恐怖きょうふ が

彼女かのじょ に おそいかかり ました。

--and a fear came upon her like the fear of dreams.


すず は


たしかに

にわ の なか で って いた の です。

. . . That ringing was certainly in the garden.


彼女かのじょ は

がって


女中じゅちゅう を こし に

こう と し ました。

. . . She tried to get up to waken a servant.

しかし


きる こと が

でき ない の でした。


うごく こと も

こえ を あげる こと も


でき ない の です。

But she found that she could not rise, --could not move, --could not call.


すず の おと は

ちかづいて  ます。


そして


さらに

ちかづいて  ました。

. . . And nearer, and still more near, came the clang of the bell;


ああ


いぬ の

なんう かた ……

--and oh! how the dogs howled!


そして

かげ が しのむ ように


一人ひとり の おんな が

部屋へや へ すっと はいってた の です。

. . . Then, lightly as a shadow steals, there glided into the room a Woman,


 は すべ

しっかり められて い ました。

--though every door stood fast,


どの ふすま も

うごき ません でした。

and every screen unmoved,

■ふすま:sliding screen

しかし


きょうかたびら を 

遍路へんろ の すず を った おんな が


はいってた の です。

--a Woman robed in a grave-robe, and carrying a pilgrim's bell.

きょうかたびら:grave-robe

んで から かなり たって いる のか


はいってた おんな には

 が あり ません でした。

Eyeless she came, --because she had long been dead;


ほどけた かみ が


かお の まわり に

がって い ました。

--and her loosened hair streamed down about her face;


おんな は


みだれた かみ の あいだ から

くなった  で つめ、


くなった した で しゃべり ました。

--and she looked without eyes through the tangle of it, and spoke without a tongue:


***


『この いえ に いて は ならない。

--" Not in this house,


 おまえ は

 このいえ に いて は ならない。

--not in this house shall you stay!


 ここでは まだ

 わたし が おんな主人しゅじん だ。

Here I am mistress still.

おんな主人しゅじん:mistress

 おまえ は け。

You shall go;


 そして


 く 理由りゆう を

 だれにも って は ならない。

and you shall tell to none the reason of your going.


 もし

 あのひと に ったら、


 おまえ を き に する』

If you tell HIM I will tear you into pieces! "


***


そう い ながら


幽霊ゆうれい は

姿すがた を し ました。

So speaking, the haunter vanished.

幽霊ゆうれい:haunter

花嫁はなよめ は


恐怖きょうふ の あまり

 を うしなって しまい ました。

The bride became senseless with fear.


あけがた まで


彼女かのじょ は

うしなった まま でした。

Until the dawn she so remained.


***


それでも、

あかるい ひかり を る と


彼女かのじょ は


自分じぶん が たり いたり した もの が

現実げんじつ だった のか


うたがい ました。

Nevertheless, in the cheery light of day, she doubted the reality of what she had seen and heard.


だれにも って は ならない

と 警告けいこく された 記憶きおく が


彼女かのじょ に おもく のしかかり

The memory of the warning still weighed upon her so heavily that


彼女かのじょ は

おっと にも だれ にも、


その 幽靈ゆうれい の こと を

はなそう と し ません でした。

she did not dare to speak of the vision, either to her husband or to any one else;


彼女かのじょ は


ただ おそろしい ゆめ を 

病気びょうき に なった だけ だ


と 自分じぶん を ほとんど 納得なっとく させる こと が

できた の です。

but she was almost able to persuade herself that she had only dreamed an ugly dream, which had made her ill.


***


しかし

つぎ の  の ばん には


もはや

うたがう こと は でき ません でした。

On the following night, however, she could not doubt.


また うしこく に


いぬ が また

え、あわれな ごえ を あげ はじめ ました。

Again, at the Hour of the Ox, the dogs began to howl and whine;


また

すず が り ました。

--again the bell resounded,


それ は

にわ から ゆっくり と ちかづいて  ました。

--approaching slowly from the garden;


また

それ を いて いた 彼女かのじょ は


がって、

こえ を そう と し ました が


駄目だめ でした。

--again the listener vainly strove to rise and call;


また

んだ おんな が

部屋へや に はいって


小声こごえで さけび ました。

--again the dead came into the room, and hissed,


『おまえ は け。

--" You shall go;


 その 理由りゆう を

 だれ にも って は ならない。

and you shall tell to no one why you must go!


 もし

 あのひと に こっそり ったら


 おまえ を き に する。』


If you even whisper it to HIM, I will tear you in pieces! " . . .


今度こんど


幽靈ゆうれい は

寝床ねどこ の ちかく まで  ました。

This time the haunter came close to the couch,


そして


かがみこみ、つぶやき、

かお を しかめ ました。

--and bent and muttered and mowed above it. .


***


翌朝よくあさ

さむらい が しろ から かえる と

Next morning, when the samurai returned from the castle,


かれ の わかい つま は


かれ の まえ に ひれして

ねがい を し ました。

his young wife prostrated herself before him in supplication:


『おねがい です』

--" 1 beseech you,"


彼女かのじょ は い ました。

she said,


『こんな こと を う の は

 恩知おんしらず で 失礼しつれい なの です が


 ゆるして ください。

"to pardon my ingratitude and my great rudeness in thus addressing you:


 実家じっか へ かえり たい の です。

but I want to go home;


 いま すぐ かえり たい の です』

--I want to go away at once."


『ここ に なに

 いやな こと でも ある の か?』

"Are you not happy here?"


かれ は

本当ほんとうに おどろいて たずね ました。

he asked, in sincere surprise.


わたし が 留守るす の あいだ に


 だれか なに

 意地悪いじわるな こと でも した の か?』

"Has any one dared to be unkind to you during my absence?"


『そんな こと では あり ません』

"It is not that --"


彼女かのじょ は


き ながら

こたえ ました。

she answered, sobbing.


『ここでは だれも が

 わたし に 大変たいへん 親切しんせつ に して くれ ます。

"Everybody here has been only too good to me.


 けれども、

 わたし は


 このまま あなた の つま で いる こと は

 でき ません。

. . . But I cannot continue to be your wife;


 わたし は

 か なければなりません。』

--I must go away. . . ."


かれ は


非常ひじょうに おどろいて

さけび ました。


『この いえ で なにか いやな こと が

 あった という のは


 とても つらい こと だ。

"My dear," he exclaimed, in great astonishment, "it is very painful to know that you have had any cause for unhappiness in this house.


 わたし には


 おまえ が き たい という 理由りゆう が

 わからない。

But I cannot even imagine why you should want to go away


 だれ

 おまえ に ひどい こと を して い ない のに


 く という のは ……。

--unless somebody has been very unkind to you


 まさか

 わかれて くれ

 と う つもり では ない だろう?』

--Surely you do not mean that you wish for a divorce?"


彼女かのじょ は


ふるえ き ながら

こたえ ました。

She responded, trembling and weeping,


わかれて もらえ なければ、


 わたし は

 ぬ こと に なる でしょう。』

--"If you do not give me a divorce, I shall die! "


かれ は

しばらく だまって い ました。

He remained for a little while silent,


どうして


つま が

こんな おどろくような こと を

した のか


理由りゆう を かんがえよう と し ました が

わかり ません。

--vainly trying to think of some cause for this amazing declaration.


それから


感情かんじょう を かお に さ ない で

こたえ ました。

Then, without betraying any emotion, he made answer:


なんの  も ない おまえ を

 親元おやもと に おくかえす の は

--" To send you back now to your people, without any fault on your part,


 ずかしい こと だ と おもう。

would seem a shameful act.


 おまえ の ねがい に 見合みあ

 それなりの 理由りゆう を って くれた なら、……

If you will tell me a good reason for your wish,


 それ が どんな 理由りゆう でも、……

--any reason


 わたし が

 堂々どうどうと 説明せつめい できる ような こと を


 って くれた なら

that will enable me to explain matters honorably,


 わたし は

 離縁状りえんじょう を く こと が できる。

--I can write you a divorce.

離縁りえん:divorce

 しかし、


 理由りゆう …… それなりの 理由りゆう が なけれ ば、

 わかれる こと は でき ない。

But unless you give me a reason, a good reason, I will not divorce you,


 私達わたしたち の いえ の 名誉めいよ を

 けがす ような こと が


 あって は ならない から』

--for the honor of our house must be kept above reproach."


***


彼女かのじょ は

はなさ なければならなく なって しまい ました。

And then she felt obliged to speak;


そこで

彼女かのじょ は すべて を はなし ました。

and she told him everything,


そして


恐怖きょうふ に くるしみ ながら

さらに くわえ ました。

--adding, in an agony of terror,


『もう

 あなた に はなし ました から、


 わたし は ころされ ます。

--Now that I have let you know, she will kill me!


 わたし を ころし ます。』

--she will kill me! . . ."


さむらい は

勇気ゆうき が あり


もの など

しんじる ような おとこ では なかった の ですが

Although a brave man, and little inclined to believe in phantoms,


一瞬いっしゅん とても おどろき ました。

the samurai was more than startled for the moment.


しかし


簡単かんたんで 自然しぜんな 説明せつめい が

すぐに おもかび ました。

But a simple and natural explanation of the matter soon presented itself to his mind.


かれ は い ました。


『おまえ は いま

 とても 神経質しんけいしつ に なって いる。

"My dear," he said, "you are now very nervous;


 だれ

 つまらない はなし を した もの が

 いる の だろう。

and I fear that some one has been telling you foolish stories.


 ただ この いえ で、

 へんな ゆめ を た という だけ で、


 わかれる こと は でき ない。

I cannot give you a divorce merely because you have had a bad dream in this house.


 しかし


 わたし が 留守るす の あいだ

 その ように くるしんで いる のは、


 本当ほんとうに かわいそう だ。

But I am very sorry indeed that you should have been suffering in such a way during my absence.


 今夜こんや も

 わたし は しろ へ か なければならない。

To-night, also, I must be at the castle;


 しかし

 おまえ を 一人ひとり には し ない。

but you shall not be alone.


 家来けらい 二人ふたり に


 おまえ の 部屋へや で

  ない で

 見張みはり を する ように


 命令めいれい しよう。

I will order two of the retainers to keep watch in your room;


 そうすれば

 安心あんしん して ねむれる だろう。

and you will be able to sleep in peace.


 二人ふたり とも よい おとこ だ。

They are good men;


 できるだけ

 けて くれる』

and they will take all possible care of you."


おっと が


ふかい おもいやり と 愛情あいじょう を こめて

はなして くれた ので

Then he spoke to her so considerately and so affectionately


彼女かのじょ は


自分じぶん の 恐怖きょうふ が

ほとんど ずかしく なり ました。

that she became almost ashamed of her terrors,


そして

この いえ に いよう と 決心けっしんし ました。

and resolved to remain m the house.


***


〔三〕


わかい つま に つけられた 二人ふたり の 家来けらい は

The two retainers left in charge of the young wife were


おおきな からだ で

勇気ゆうき が あり

純心じゅんしんな おとこたち でした。

big, brave, simple-hearted men,


おんな や 子供こども の 警護けいご を

した 経験けいけん も あり ました。

--experienced guardians of women and children.


花嫁はなよめ を

元気げんきづける ため に


彼女かのじょ に

面白おもしろい はなし を し ました。

They told the bride pleasant stories to keep her cheerful.


彼女かのじょ は


二人ふたり と

ながあいだ はなし を し ました。

She talked with them a long time,


かれら の 冗談じょうだん に わら

laughed at their good-humored fun,


ほとんど

恐怖きょうふ を わすれて しまい ました。

and almost forgot her fears.


彼女かのじょ が

る ために よこ に なる と

When at last she lay down to sleep,


二人ふたり の さむらい は


屏風びょうぶ の うしろ の

部屋へや の すみ に すわって

the men-at-arms took their places in a corner of the room, behind a screen,

屏風びょうぶ:screen

 を はじめ ました。

and began a game of go,(1)

(1) A game resembling draughts, but much more complicated.


そして

彼女かのじょ を こさ ない ように


小声こごえ で はなして い ました。

--speaking only in whispers, that she might not be disturbed.


彼女かのじょ は

幼児ようじ の ように ねむり ました。

She slept like an infant.


***


しかし

また


うしこく に


彼女かのじょ は 恐怖きょうふ で うめき ながら

 を さまし ました。

But again at the Hour of the Ox she awoke with a moan of terror,


あの すず が

こえた の です。

--for she heard the bell!


それ は もう

ちかく まで て い ました。

... It was already near,


そして

さらに ちかづいて  ました。

and was coming nearer.


彼女かのじょ は

き ました。

She started up;


彼女かのじょ は

さけび ました。

she screamed;


しかし


その 部屋へや に

もの が うごく 気配けはい は


なにも あり ません でした。

--but in the room there was no stir,


ただ

 の ような しずけさ が ……

--only a silence as of death,


して いく しずけさ ……

--a silence growing,


く なって いく しずけさ ……


--a silence thickening.


彼女かのじょ は


さむらい の ところ へ

はしってき ました。

She rushed to the men-at-arms:


二人ふたり は

碁盤ごばん の まえ に すわった まま


すこし も うごか ない で

たがい に 相手あいだ を じっと て い ました。

they sat before their checker-table, --motionless, --each staring at the other with fixed eyes.


彼女かのじょ は

二人ふたり に さけび ました。

She shrieked to them:


二人ふたり を ゆりうごかし ました。

she shook them:


しかし

かれら は


こおりついた ように

じっと して い ました。

they remained as if frozen. . . .


***


あとで

かれら は つぎ の ように い ました。

Afterwards they said that


すず が こえた ……

they had heard the bell,


花嫁はなよめ の さけび も こえた ……

--heard also the cry of the bride,


こそう と して

ゆりうごかした のも わかって いた ……

--even felt her try to shake them into wakefulness;


しかし


うごく こと も、しゃべる こと も

でき なかった。……

--and that, nevertheless, they had not been able to move or speak.


その 瞬間しゅんかん から

From the same moment


かれら は

く こと も る こと も

でき なく なった の です。

they had ceased to hear or to see:


くろな ねむり が

かれら を とらえて しまった の です。

a black sleep had seized upon them.


***


 が けて


かえって た おっと が

花嫁はなよめ の 部屋へや に はいる と

Entering his bridal-chamber at dawn,


だまり の なか に

わかい つま の よこたわって いる の が


えかかった あかり で

え ました。


それ は

くび の ない 死体したい でした。

the samurai beheld, by the light of a dying lamp, the headless body of his young wife, lying in a pool of blood.

だまり:a pool of blood

二人ふたり の 家来けらい は


ちかけ の  を まえ に して

すわった まま


ねむって い ました。

Still squatting before their unfinished game, the two retainers slept.


主人しゅじん の さけび を いて

At their master's cry


かれら は き ました。

they sprang up,


そして


ゆか の うえ の

おそろしい 出来事できごと を


茫然ぼうぜん と て い ました。

and stupidly stared at the horror on the floor. . . .


***


くび は

どこにも 見当みあたり ません。

The head was nowhere to be seen;


その すさまじい きず は、


くび が られた の では なく

ちぎりられた こと を

あらわして い ました。

--and the hideous wound showed that it had not been cut off, but torn off.


 の あと は


部屋へや から 縁側えんがわ の かど まで

つづいて い ました。

A trail of blood led from the chamber to an angle of the outer gallery,


雨戸あまど は

引裂ひきさかれて い ました。

where the storm-doors appeared to have been riven apart.


三人さんにん は

 の あと を たどって


にわ に  ました。

The three men followed that trail into the garden,


草地くさち を とおぎ ……

砂場すなば を とおぎ ……

--over reaches of grass, --over spaces of sand,


あやめ で かこまれた いけ に 沿って すす

--along the bank of an iris-bordered pond,


すぎ と たけ の くらい かげ を すすみ ました。

--under heavy shadowings of cedar and bamboo.

■あやめ:iris

かど を がる と

突然とつぜん


こうもり の ように 

魔物まもの が


まえ に あらわれ ました。

And suddenly, at a turn, they found themselves face to face with a nightmare-thing that chippered like a bat:


それ は

ながあいだ められて いた

おんな の 姿すがた でした。


はか の まえ に 

the figure of the long-buried woman, erect before her tomb,


片方かたほう の  に すず を 

--in one hand clutching a bell,


もう 一方いっぽう の  に


 の したたる くび を

って いた の です。

in the other the dripping head.


しばらく


三人さんにん は

だまって って い ました。

. . . For a moment the three stood numbed.


それから

一人ひとり の さむらい は


念仏ねんぶつ を となえ ながら、

かたな を いて


その おんな の からだ を

り ました。

Then one of the men-at-arms, uttering a Buddhist invocation, drew, and struck at the shape.


すぐに

それ は 地面じめん に くずれ ました。


きょうかたびら、ほねかみ が

散乱さんらん し ました。

Instantly it crumbled down upon the soil, --an empty scattering of grave-rags, bones, and hair;


すず が


り ながら

ころがり ました。

--and the bell rolled clanking out of the rum.


しかし


筋肉きんにく の ない みぎ は、

手首てくび から はなれても


まだ

のたうって い ました。

But the fleshless right hand, though parted from the wrist, still writhed;


その ゆび は

やはり


 の したたる くび を つかんで い ました。

--and its fingers still gripped at the bleeding head,


そして


黄色きいろ の かに の はさみ が

ちた 果物くだもの を つかんで はなさ ない ように


ひきさき、きざんで い ました。

--and tore, and mangled, --as the claws of the yellow crab cling fast to a fallen fruit. . .


***


『これ は ひどい はなし だ』

[" That is a wicked story,"


わたし は

これ を かたった 友人ゆうじん に い ました。

I said to the friend who had related it.


んで 復讐ふくしゅう する の なら


 もし やる なら

 おとこ に たいして やる べき だ』

"The vengeance of the dead --if taken at all -- should have been taken upon the man."


おとこ は そう かんがえ ます』

"Men think so,"


かれ は こたえ ました。

he made answer.


『しかし、

 それ は おんな の かんかた では あり ません』

"But that is not the way that a woman feels.……"


かれ の った こと は ただしかった。

He was right.]





Reading Japanese Literature in Japanese
This series is for the people/students who want to learn Japanese.