2020年3月21日土曜日

Japanese Ghost Stories 十六桜 The Cherry-tree of the Sixteenth Day



JIU-ROKU-ZAKURA

十六桜じゅうろくざくら

The Cherry-tree of the Sixteenth Day

十六日じゅうろくにち に く さくら

It blooms every year upon the sixteenth day of the first month.


さくら は

はる に き ます。

さくら:cherry-tree ■はる:spring ■く:bloom

しかし

ふゆ に く さくら が あり ます。

ふゆ:winter

その さくら は


んだ おとこ の たましい で

く の です。

ぬ:die ■おとこ:man ■たましい:ghost


In Wakegori, a district of the province of Iyo(伊予いよ) (*), there is a very ancient and famous cherry-tree, called Jiu-roku-zakura(十六桜じゅうろくざくら), or "the Cherry-tree of the Sixteenth Day," because it blooms every year upon the sixteenth day of the first month (by the old lunar calendar),--and only upon that day. Thus the time of its flowering is the Period of Great Cold,--though the natural habit of a cherry-tree is to wait for the spring season before venturing to blossom. But the Jiu-roku-zakura blossoms with a life that is not--or, at least, that was not originally--its own. There is the ghost of a man in that tree.

(*) Present-day Ehime Prefecture.


その おとこ は

伊予いよ の くに の さむらい でした。

くに:province ■さむらい:samurai, warrior

He was a samurai of Iyo;


その  は


おとこ の いえ の にわ に

えて い ました。

にわ:garden

and the tree grew in his garden;


そして

以前いぜん は


普通ふつう の 時期じき に

いて い ました。

普通ふつう:usual ■時期じき:time

and it used to flower at the usual time,


つまり


三月さんがつ の わり や

四月しがつ の はじめ に


いて い ました。

三月さんがつ:March ■四月しがつ:April

-- that is to say, about the end of March or the beginning of April.


おとこ は

子供こども の ころ


その  の した で

あそで い ました。

子供こども:child ■あそぶ:play

He had played under that tree when he was a child;


おとこ の 両親りょうしん

おじいさん、おばあさん、先祖せんぞたち は

両親りょうしん:parents ■先祖せんぞ:ancestors

and his parents and grandparents and ancestors


百年ひゃくねん 以上いじょう に わたって、

季節きせつ が る たび に

季節きせつ:season

うつくしい はな を たたえる  を

める:praise ■:poems

あかるい さまざまな いろ の 短冊たんざく に

きしるし

短冊たんざく:strips ■き しるす:inscribe

はな の いた えだ に

つるし ました。

えだ:branches ■つるす:hang

had hung to its blossoming branches, season after season for more than a hundred years, bright strips of colored paper inscribed with poems of praise.


おとこ も また

として しまい ました。

とし を る:become old

He himself became very old,


そして


子供こども は みな

に ました。

-- outliving all his children;


おとこ には もう


この  以外いがい に


この に

きがい は あり ません でした。

■この  に:in the world ■きがい:the purpose of his life

and there was nothing in the world left for him to live except that tree.


それ が

なんという こと でしょう、

And lo!


あるとし の なつ に

in the summer of a certain year,


しおれて、

て しまった の です。

■しおれる:wither ■れる:die

the tree withered and died!


***


老人ろうじん は


その こと を、

とても かなしみ ました。

かなしむ:sorrow

Exceedingly the old man sorrowed for his tree.


親切しんせつ 近所きんじょ の ひとたち は

おとこ を なぐよう と して、

親切しんせつな:kind ■なぐめる:comfort

うつくしい さくら の 若木わかぎ を

つけ、


おとこ の にわ に

 ました。

若木わかぎ:young tree ■える:plant

Then kind neighbors found for him a young and beautiful cherry-tree, and planted it in his garden, -- hoping thus to comfort him.


かれ は 感謝かんしゃ

よろこぶ ふり を し ました。

感謝かんしゃする:thank ■ふり を する:pretend

And he thanked them, and pretended to be glad.


しかし


かれ の こころ は
かなしみ で いっぱい だった の です。

■いっぱい:full

But really his heart was full of pain;


おとこ は

その ふるい さくら を とても あいて いた ので、

あいして いる:love

for he had loved the old tree so well

どんな もの も


その  が れた かなしみ の なぐさめ に は

なり ません。

that nothing could have consoled him for the loss of it.


At last there came to him a happy thought: he remembered a way by which the perishing tree might be saved. (It was the sixteenth day of the first month.) Along he went into his garden, and bowed down before the withered tree, and spoke to it, saying: "Now deign, I beseech you, once more to bloom,--because I am going to die in your stead."……

そして

ついに、


老人ろうじん は

よい こと を おもいつき ました。

At last there came to him a happy thought:


れて ゆく  を

すくえる かもしれない 方法ほうほう を


おもた の です。

すくえる:can save ■おもす:remember

he remembered a way by which the perishing tree might be saved.


(それ は

 一月いちがつ十六日じゅうろくにち でした。)

(It was the sixteenth day of the first month.)


老人ろうじん は

一人ひとり にわ に おりて、

Along he went into his garden,


れかけた  の まえ で

あたま を げ、

and bowed down before the withered tree,


はなしかけ ました。

and spoke to it, saying:


「ああ、たの から、


 もう 一度いちど

 はな を かせて しい。

たのむ:beseech

"Now deign, I beseech you, once more to bloom,


 おまえ の かわ に

 自分じぶん は 


 だから …」

かわり:stead ■ぬ:die

-- because I am going to die in your stead."


かみ の おぼ で、

かみ の おぼし:the favor of the gods

 ひと は


 ほか の 人間にんげん

 動物どうぶつ、あるいは  に さえ、


 いのち を あたえる こと が できる

いのち:life ■あたえる:give

 と しんじられて い ます。

(For it is believed that one can really give away one's life to another person, or to a creature or even to a tree, by the favor of the gods;


 このように いのち を うつ こと を


 「身代みがわり に つ」

 と い ます。)

うつす:transfer ■身代みがわり:substitute

-- and thus to transfer one's life is expressed by the term migawari ni tatsu, "to act as a substitute.")


おとこ は


 の した に

しろい ぬの と 様々さまざまな 敷物しきもの を ひろげ、

Then under that tree he spread a white cloth, and divers coverings,


その うえ に すわり ました。

and sat down upon the coverings,


そして


さむらい の 作法さほう に

したがって


切腹せっぷく (腹切はらきり) した の でした。

作法さほう:fashion

and performed hara-kiri (腹切はらきり)after the fashion of a samurai.


さむらい の たましい は

 の なか に はい

たましい:ghost

And the ghost of him went into the tree,


そして

はな を かせ ました。

and made it blossom in that same hour.


***


その  は

いまでも

いまでも:still

毎年まいとし

一月いちがつ 十六日じゅうろくにち の ゆき の 季節きせつ に


はな を かせ ます。

And every year it still blooms on the sixteenth day of the first month, in the season of snow.






Reading Japanese Literature in Japanese
This series is for the people/students who want to learn Japanese.




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