2021年2月7日日曜日

JLPT N3: Japanese Short Stories: Soseki Natsume: Ten Nights of Dreams: The First Night



夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)の

夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)・第一夜だいいちや(The First Night)』を





夢十夜ゆめじゅうや第一夜だいいちや』を

んでいきましょう。



夏目漱石なつめそうせき有名ゆうめい小説しょうせつには、

『こころ』(KOKORO)や、

吾輩わがはいねこである』(I am a Cat)があります。



しかし、

この『夢十夜ゆめじゅうや』(Ten Nights of Dreams)も、とても有名ゆうめいです。



夏目漱石なつめそうせき小説しょうせつなかで、

もっとも、すぐれている、

評価ひょうかするひとも、おおくいます。



夢十夜ゆめじゅうや』は十個じっこゆめはなしです。



それぞれ、ひとひとちがはなしです。



第一夜だいいちや』(The First Night)をんでみましょう。



どのはなしも、

「こんなゆめた。」というぶん

はじまります。

ゆめる:to dream)



 こんなゆめた。



 わたしは、おんなの、そばにすわっていた。



 おんなは、ていた。



 そして、おんなは、しずかに、った。

 ……もう、にます。



 おんなかみながく、

 まるかおをしていた。



 しろい、ほほは、すこあかい。



 もちろん、くちびる(lips)もあかい。



 とても、ぬようには、えない。



 しかし、おんなしずかに、はっきりとった。



うつくしいおんなています。



そのよこに、「わたし」はすわっています。



そして、おんなは、

「もう、にます」

います。



このゆめは、

そんな場面ばめんからはじまります。



わたし」には、

おんな元気げんきなようにえます。



だから、

おんなぬとは、おもえません。



本当ほんとうぬのだろうか、

おもいます。



そして、

そのことをおんなたずねます。



しかし、

おんなは、やはり

「もう、にます」

います。



そんな会話かいわかえします。



そこで、

わたし」も

おんなは、ぬのだろう

おもいます。



すると、おんなは、

自分じぶんんだら

はかつくってしい

います。



そして、

そこで自分じぶんっていてしい

います。



 しばらくして、おんなが、こうった。



 「んだら、

  はかつくってください。



  そらからちてた、ほしかけら(fragment)で

  はかつくってください。



  そうして、はかの、そばで

  っていてください。



  またいにますから」



 わたしは、

 いついにるのか

 とたずねた。



 おんなった。



 「太陽たいようるでしょう。



  それから太陽たいようしずむでしょう。



  それから、また、るでしょう。



  そうして、また、しずむでしょう。



  ――あか太陽たいようひがしから西にしへ、

  ひがしから西にしへと

  ちてあいだ

  あなたは、っていられますか」



 わたしは、

 っている

 とこたえた。



 おんなは、

 すこおおきなこえった。



 「百年ひゃくねんっていてください」



 それは、

 なにかを決心けっしんしたようなこえだった。



 「百年ひゃくねん

  わたしはかのそばにすわって

  っていてください。



  きっと、いにますから」



おんなは、「わたし」に

はかのそばで、っていてしい

と、います。



しかも、

百年ひゃくねんっていてしい

と、います。



とても不思議ふしぎはなしです。



わたし」は

っている、

と、おんな約束やくそくします。



すると

おんなんでしまいます。



 おんなじた。



 じたから、なみだ

 ほほへながれた。



 ――おんなは、もうんでいた。



わたし」は

おんなわれたとお

はかつくります。



そして、

はかよこすわって

おんなっています。



わたし」は

百年ひゃくねんぎるのを

っているのです。



 わたしこけ(moss)のうえすわった。



 これから、百年ひゃくねんあいだ

 こうしてっているのだな

 とおもった。



 そうおもいながら

 はかながめていた。



 そのうちに

 おんなったとお

 太陽たいようひがしからた。



 おおきなあか太陽たいようであった。



 それが、また、

 おんなったとおり、

 やがて西にしちた。



 あかいまま、ちてった。



 ひとつ、と

 わたしかぞえた。



 ***



 しばらくすると

 また、あか太陽たいよう

 のぼってた。



 そうして、

 だまって、しずんでしまった。



 ふたつ、

 と、また、かぞえた。



 ***



 わたしは、このように

 ひとつ、ふたつ、とかぞえながら、

 あか太陽たいようをいくつたのか

 わからなくなった。



 かぞえても、かぞえても、

 あか太陽たいようが、

 あたまうえとおぎてった。



 それでも、まだ、

 百年ひゃくねんは、ない。



 しまいには、

 こけ(moss)でおおわれた、まるはか

 ながめて、

 おんなうそをついたのかもしれない

 とおもはじめた。



わたし」は

じっとすわって

おんなっています。



しかし、

おんなません。



わたし」は

おんな言葉ことばうたがはじめます。



そのときです。……



まえ

はなきます。



しろ百合ゆり(lily)のはなです。





 はかしたから、わたしほう

 あおくき(stem)がびてた。



 それは、すぐに、ながくなって

 わたしむねのあたりまでた。



 とおもうと、

 すこれているくきさき

 ちいさなはなひらいた。



 しろ百合ゆり(lily)だった。



 つよかおりがした。



 そこへ、うえから、つゆ(dew)がちてたので

 はな

 ふらふらとうごいた。



 わたしはなにキス(kiss)をした。



 ふととおくをると

 夜明よあけのそらに、

 ほしひとつ、かがやいていた。



 「百年ひゃくねんは、もうていた」

 と、このときはじめてった。






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