2021年2月1日月曜日

JLPT N4: Old Stories of Japan: Urashima Taro うらしまたろう



JLPT N4 Old Stories of Japan



うらしま たろう(Urashima Taro)



(1)



むかし、むかし

うらしま たろう という おとこ

い ました。



うらしま は

毎日まいにち

うみって

さかな を つり ました。



たい(sea bream) や かつお(bonito) を

つり ました。



うらしま は

とうさん や おかあさん と

一緒いっしょんで い ました。



ある

うらしま は

いつも の ように

うみき ました。



一日いちにち

さかな を つり ました。



うらしま は

夕方ゆうがた かえって き ました。



すると

うみちかく に

子供こども

ろくにん

い ました。



子供こども

なにさわいで い ました。



うらしま は

なん だろう?

と、おもい ました。



子供こどもたち は

かめ を いっぴき

つかまえて い ました。

(かめ:turtle)



ちいさな かめ でした。



子供こどもたち は

かめ を

たたいて い ました。

(たたく:to hit)



うらしま は

い ました。



ちいさな 動物どうぶつ を たたくのは

 わるい こと だよ。



 さあ、めなさい」



しかし

子供こどもたち は き ません。



子供こどもたち は

かめ を たたいて い ます。



うらしま は い ました。



「おかね を あげる。

 その かめ を おう。

 その かめ を ってほしい」



すると

子供こどもたち は こたえ ました。



「おかね を くれる なら

 かめ を あげる」



うらしま は

子供こどもたち に

かね を あげ ました。



そして

かめ を もらい ました。



子供こどもたち は

いえかえって き ました。



うらしま は

かめ の あたま

やさしく さわり ました。



うらしま は

かめ に い ました。



「さあ

 いえかえり なさい」



かめ は

うれし そうに

あたま手足てあし

うごかして

うみおよいで きました。



(2)



それから

さんにち して

うらしま は

また

うみき ました。



うみ

さかな を つって い ました。



すると

「うらしま さん、うらしま さん」

と よぶ こえ が し ました。



うらしま は

なんだろう

おもって

まわり を ました が、

ひと は い ません。



しかし

そこ には

いっぴき の かめ が

い ました。



かめ は

い ました。



「わたし は

 あなた に たすけて もらった かめ です。

たすける:to save, to rescue)



 ありがとう ございました。



 今日きょうは、

 その おれい ました」



うらしま は

びっくり し ました。



かめ は

い ました。



「ほんとう に

 ありがとう ございました。



 うらしま さん は

 りゅうぐうじょう を

 た こと が あり ます か?」

(りゅうぐうじょう:the Palace of the Dragon King)



うらしま は

い ました。



いた こと は ある。

 た こと は ない」



「では

 おれい

 わたし が あなた に

 りゅうぐうじょう を

 せて あげ ましょう」



き たい。



 でも、それ は

 ふかうみなか に ある の だろう。



 わたし は

 そこ まで およげない」



大丈夫だいじょうぶです。



 簡単かんたんけ ます。



 わたし の

 背中せなか

 って ください」



うらしま は

かめ の 背中せなか

り ました。



かめ は

うみなか

およいで き ました。



ふかうみなかおよいで いる と

きゅう

まわり が あかるく なり ました。



うみなか

きれいな みち

え ました。



そして、

きれいな 建物たてものえ ました。



「あれ が

 りゅうぐうじょう です」



かめ は

い ました。



その きれいな 建物たてもの入口いりぐち

き ました。



うらしま は

かめ の 背中せなか から

おり ました。



すこ

 って いて ください」

と、

かめ は

い ました。



そして

かめ は

建物たてものなか

はいり ました。





(3)



かめ は

て き ました。



かめ は

うらしま を

建物たてものなか

案内あんない し ました。



たい(sea bream) や ひらめ(flatfish) や

いろいろな さかな が

うらしま を

て い ました。



うらしま は

なか

はいって き ました。



すると

ひめ

むかえ に て き ました。

ひめ:princess)



ひめ の うしろ には

おおぜいの 女性じょせい

い ました。



りゅうぐうじょう の なか

とても いい におい が

し ました。



そして

たのしい 音楽おんがく

こえて き ました。



ひろくて うつくしい 部屋へや

たくさん あり ました。



ひめ

い ました。



「うらしま さん

 よく て くれ ました。



 かめ を

 たすけて くれて

 ありがとう ございました」



ひめ

ていねい に

あたまげ ました。



やがて

いろいろな さかな が

おいしい 食事しょくじ

はこんで き ました。



きれいな 女性じょせいたち が

うたうたったり

おどり を おどったり し ました。



うらしま は

とても たのしくて

ゆめている よう でした。



食事しょくじ の あと

うらしま は

りゅうぐうじょう の なか

て まわり ました。



ひめ

うらしま を

案内あんない し ました。



どの 部屋へや

どの 部屋へや

とても うつくしくて

うらしま は

びっくり して しまい ました。



ひめ

い ました。



今度こんど

 よっつ の 季節きせつ景色けしき です」



ひめ

ひがし

け ました。



そこ は

はる景色けしき でした。



さくら(cherry blossoms) の はな

いて い ました。



みなみ

け ました。



そこ は

なつ景色けしき でした。



せみ(cicada) が

ないて い ました。



西にし

け ました。



そこ は

あき景色けしき でした。



はな の いい におい が

し ました。



最後さいご

きた

け ました。



そこ は

ふゆ景色けしき でした。



ゆきって

つめたい かぜ

ふいて い ました。



うらしま は

とても おどろき ました。



(4)



毎日まいにち

たのしい こと が

つづき ました。



りゅうぐうじょう が

とても たのしい ので

すぐに

三年さんねん が すぎ ました。



はる に なり

うらしま は

とうさん や おかあさん の こと を

おもう ように なり ました。



「おとうさん や おかあさん は

 いま

 なに を して いる の だろう」



うらしま は

おもい ました。



いえかえり たい

おもい ました。



だから

うたいて も

おどり を て も

おもしろく あり ません。



そんな うらしま を

ひめ

心配しんぱい に なり ました。



ひめ

い ました。



「うらしま さん、

 気分きぶん が わるい の です か?」



うらしま は

こたえ ました。



「いいえ。



 でも、

 いえかえり たく なった の です」



ひめ

かなしい かお を して

いました。



「それ は

 ざんねん です。



 でも

 仕方しかた が あり ません」

仕方しかたが ない:cannot be helped, no alternative)



ひめ

きれいな はこ

って き ました。



ひめ

い ました。



「この なか に は

 とても 大事だいじな もの が

 はいって い ます。



 これ を

 ってかえって ください。



 でも

 もし、あなた が

 もう一度いちど ここ へ かえり たい

 と おもう なら

 けっして この はこけ ないで ください」



うらしま は

い ました。



「わかり ました。

 け ません」



うらしま は

はこって

りゅうぐうじょう の そと へ ました。



ひめ

たくさんの 女性じょせい一緒いっしょ

そと へ て き ました。



そこ に は

かめ が

って い ました。



うらしま は

うれしい 気持きもち と

かなしい 気持きもち で

こころ が いっぱい でした。



そして

かめ の 背中せなか

り ました。



うらしま は

いままで んで いた むら

かえり ました。



(5)



うらしま は

むらなか

あるき まわり ました。



しかし

ひと

みんな

ら ない ひと でした。



「おかしい。



 三年さんねん の あいだ に

 みんな、どこ へ、った の だろう」



うらしま は

おもい ました。



そして

うらしま は、

じぶん の いえ

あるいて き ました。



ところが

そこに

いえ は あり ません。



なに も あり ません。



くさ

ある だけ でした。



うらしま は

い ました。



「おかしい。へんだ」



すると

そこ へ

おばあさん が ひとり

ました。



うらしま は

たずね ました。



「うらしま たろう の いえ

 どこ でしょう?」



おばあさん は

い ました。



「うらしま たろう?



 そんな ひとり ません」



うらしま は

い ました。



「ここ に んで いた の です」



おばあさん は

しばらく

かんがえて い ました。



そして

い ました。



「ああ、

 うらしま たろう さん は

 三百年さんびゃくねんまえひと です。



 わたし が 子供こども の とき

 き ました。



 むかし

 うらしま たろう という ひと

 い ました。



 ある

 うみさかな を つり に って

 かえって ません でした。



 むかしはなし です」



おばあさん は

そう って

あるいてき ました。



うらしま は

びっくり し ました。



三百年さんびゃくねん……



 三年さんねん

 りゅうぐうじょう に いた だけ なのに……



 それ が 三百年さんびゃくねん……



 それ なら

 いえ も なくなる だろう。



 おとうさん や おかあさん も

 もう

 い ない の だろう」



うらしま は

さびしく なり ました。



りゅうぐうじょう に

かえり たく なり ました。



また、

うみき ました。



が、

もう

かめ は い ません。



りゅうぐうじょう へ

く こと は でき ません。



うらしま は

おもい ました。



「この はこ を け たら

 なに

 わかる かもしれない」



うらしま は

ひめった こと を

わすれて い ました。



うらしま は

はこけ ました。



すると

しろい けむり(smoke) が

て き ました。



それ が える と

はこ の なか には

なに も あり ません でした。



しかし

うらしま の あたまかみ

しろく なり

あし

みじかく なり ました。



うらしま は

おじいさん に なり ました。



うらしま は

い ました。



ひめった

 とても 大事だいじ な もの とは

 ひといのち(life) だった の か……」



うらしま は

うみ ながら

むかし の こと を

おもして い ました。






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