2021年2月8日月曜日

JLPT N3: Soseki Natsume: I am a Cat: あらすじ(outline)



JLPT N3



夏目なつめ漱石そうせき(1867-1916)

Soseki Natsume



吾輩わがはいねこである

I am a Cat






登場人物とうじょうじんぶつ(characters)



吾輩わがはい

ねこ、オス(male)

吾輩わがはい』とは、『わたし』という意味いみ

名前なまえはない



主人しゅじん(master)

吾輩わがはいんでいるいえ主人しゅじん

学校がっこう先生せんせい

わる



迷亭めいてい先生せんせい

主人しゅじん友人ゆうじん

ひとうそうのが



寒月君かんげつくん

主人しゅじん友人ゆうじん



東風君とうふうくん

主人しゅじん友人ゆうじん



三毛子みけこ

こと(Japanese harp)の師匠ししょう(master)のところに

んでいる三毛猫みけねこ(tortoiseshell cat)

メス(female)

吾輩わがはいきなねこ



くろ

くろねこ




あらすじ(outline)



吾輩わがはいねこである(1)



吾輩わがはいわたし)は、ねこである。

吾輩わがはいは、ある人間にんげんいえむようになる。

主人しゅじんは、学校がっこう先生せんせいである。

主人しゅじんは、くこともある。

下手へたである。



くろくろねこ)とはなしをするようになった。

くろは、自慢じまんきである。



吾輩わがはいねこである(2)



吾輩わがはいは、ねこである。

名前なまえは、まだ、ない。

あたらしいとしになった。



吾輩わがはいは、

主人しゅじんのこしたもち(rice cake)を

べようとする。



吾輩わがはいは、なんでもべるが、

もちべるのは、はじめてである。



もちべるのは、むずかしい!



吾輩わがはいねこである(3)



吾輩わがはいは、ねこである。

名前なまえは、まだ、ない。

正月しょうがつ(New Year)である。



前回ぜんかい吾輩わがはいは、

もちべようとして、大変たいへんなことになった。



今回こんかいは、

主人しゅじんのところへきゃくの、

面白おもしろはなしである。



東風君とうふうくんが、

「トチメンボー」という、意味いみのわからないもの

べようとするはなし



また、東風君とうふうくんは、

不思議ふしぎ朗読会ろうどくかい(reading group)のはなしもする。



主人しゅじんに、

たくさんべても、わるくならない方法ほうほうについての

手紙てがみる。



最後さいごに、主人しゅじんが、

引力いんりょく(gravitation)」についての奇妙きみょう(?)をつくる。



吾輩わがはいねこである(4)



吾輩わがはいは、ねこである。

名前なまえは、まだ、ない。

あたらしいとしになって、十日とおかほどすぎた。



主人しゅじんいえに、

迷亭めいてい先生せんせいと、寒月君かんげつくんている。



三人さんにんは、それぞれ、

自分じぶん奇妙きみょう経験けいけん(?)のはなしをする。



くびをつりたくなるまつはなし

(つる:to hang)



かわなかから、

おんなこえこえるはなし



つまかけようとすると

突然とつぜん病気びょうきになるはなし



最後さいごに、吾輩わがはいは、

病気びょうき三毛子みけこいにく。



しかし、なぜか、いえは、とてもしずかだった。



吾輩わがはいねこである(5)



主人しゅじんがいないあいだに、

おくさんが、迷亭めいてい先生せんせい

主人しゅじんについて、はなしをする。



たくさんほんはなし

月並つきなみ普通ふつう人間にんげん)とは

なにかというはなし



主人しゅじんかえってくると、

寒月君かんげつくんて、

奇妙きみょう演説えんぜつ練習れんしゅうをする。



最後さいごに、

東風君とうふうくん

外国人がいこくじんはなしをして

意味いみがわからなくて、苦労くろうするはなし






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JLPT N3: Mystery Stories: あらすじ(outline)



JLPT N3

Mystery Stories



あらすじ(outline)



江戸川えどがわ乱歩らんぽ(1894-1965)

Rampo Edogawa



人間椅子にんげんいす(1925)

The Human Chair



ふたご (1924)

双生児そうせいじ

ある死刑囚しけいしゅう告白こくはく

The Twins

Confession of Murder



日記帳にっきちょう(1925)

The Diary



あか部屋へや(1925)

The Red Chamber






人間椅子にんげんいす

The Human Chair

江戸川えどがわ乱歩らんぽ Rampo Edogawa)



おとこは、

自分じぶんつくった椅子いすなかはいる。



椅子いすなかで、生活せいかつする。

そして、椅子いすすわおんなこいをする。



■ふたご

ある死刑囚しけいしゅう告白こくはく

The Twins

Confession of Murder

江戸川えどがわ乱歩らんぽ Rampo Edogawa)



おとこは、ひところして、

死刑しけい(death penalty)になった。



しかし、おとこは、

もう一人ひとりころしたとう。



そして、それは、

ふたごのあにだとう。



日記帳にっきちょう

The Diary

江戸川えどがわ乱歩らんぽ Rampo Edogawa)



あには、

んだおとうと日記にっき(diary)をむ。



おとうとが、こいをしていたことをる。



しかし、おとうと彼女かのじょおくったのは、

普通ふつう手紙てがみではなかった。

あには、その秘密ひみつることになる。



あか部屋へや

The Red Chamber

江戸川えどがわ乱歩らんぽ Rampo Edogawa)



一人ひとりおとこった。

かれの「あそび」は、ひところすことだと。



そして、いままでに、

九十九人きゅうじゅうきゅうにんころしたと。






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JLPT N3: Japanese Short Stories: あらすじ(outline)



Japanese Short Stories

あらすじ(outline)



太宰だざいおさむ(1909-1948) Osamu Dazai



はしれメロス(1940)

Run, Melos, Run



うみ(1946)

The Sea



夏目なつめ漱石そうせき(1867-1916)

Soseki Natsume



夢十夜ゆめじゅうや(1908)

Ten Nights of Dreams

第一夜だいいちや(The First Night)から第五夜だいごや(The Fifth Night)



文鳥ぶんちょう(1908)

(Java Sparrow)



宮沢みやざわ賢治けんじ(1896-1933)

Kenji Miyazawa



よたかのほし(1934)

The Nighthawk Star



注文ちゅうもんおお料理店りょうりてん(1924)

The Restaurant of Many Orders



どんぐりと山猫やまねこ(1924)

The Acorns and the Wildcat






あらすじ(outline)



はしれメロス(Run, Melos, Run)

太宰だざいおさむ(Osamu Dazai)



メロスは、わるおうころそうとする。



しかし、メロスが、ころされることになる。

メロスは、三日みっかってくれ、とたのむ。



そして、親友しんゆうを、

自分じぶんわりに、

おうのところにいてく。



しかし、メロスは、

おうのところへかえれなくなる。



かえらないと、親友しんゆうは、ぬことになる。



うみ(The Sea)

太宰だざいおさむ(Osamu Dazai)



戦争せんそうちゅう

ちちは、子供こどもに、うみせようとする。

ちちは、子供こどもが、よろこぶだろう、とおもった。



しかし、

うみ子供こどもった言葉ことば

ちちは、おどろく。



夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)第一夜だいいちや(The First Night)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



おんなは、おとこ

百年ひゃくねんっていてしい、とう。



そしておんなんだ。



おとこは、おんなっている。



しかし、おんなない。



夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)第二夜だいにや(The Second Night)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



おとこは、さとろうとおもった。

さとる:to attain enlightenment)



さとれないのなら、のう、とおもった。

しかし、さとれない。



さとれないまま、時間じかんた。



夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)第三夜だいさんや(The Third Night)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



おとこは、

えない子供こども

てよう、とおもう。



子供こどもも、そのことをっている。



おとこは、

百年前ひゃくねんまえ自分じぶんがやったことを

おもす。



夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)第四夜だいよんや(The Fourth Night)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



おとこは、まっすぐにあるいてく。



そして、かわはいってく。

ふかく、はいってく。



それでも、おとこは、

まっすぐにあるいてく。



夢十夜ゆめじゅうや(Ten Nights of Dreams)第五夜だいごや(The Fifth Night)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



わたしは、

まえに、おんないたい、とう。



わたしは、おんなっている。



しかし、おんなない。



文鳥ぶんちょう(Java Sparrow)

夏目なつめ漱石そうせき(Soseki Natsume)



わたしは、ひろ部屋へやで、

一日中いちにちじゅう小説しょうせついている。



文鳥ぶんちょう(Java Sparrow)」をうことにした。



最初さいしょは、世話せわをしていた。



文鳥ぶんちょうながら、

むかしきだった女性じょせい

おもした。



しかし、

段々だんだんいそがしくなり

世話せわをしなくなる。



■よたかのほし(The Nighthawk Star)

宮沢みやざわ賢治けんじ(Kenji Miyazawa)



よたか(Nighthawk)は、

みんなに、きらわれていました。



たか(Hawk)に、

名前なまええろ、とわれます。



よたかは、

とおくへこうとします。



そして、

よるそら

たかたかく、んできます。



注文ちゅうもんおお料理店りょうりてん(The Restaurant of Many Orders)

宮沢みやざわ賢治けんじ(Kenji Miyazawa)



二人ふたりおとこ

やまなかで、

かえみちがわからなくなる。



ところが、

そんなやまなかなのに、

立派りっぱなレストランがあった。



二人ふたりは、

なにべようとおもって、

そのレストランにはいる。



しかし、この不思議ふしぎなレストランは、

たくさんがあるだけで、

二人ふたりは、いつまでも、

食事しょくじができない。



■どんぐりと山猫やまねこ(The Acorns and the Wildcat)

宮沢みやざわ賢治けんじ(Kenji Miyazawa)



ある一郎いちろうのところへ、

山猫やまねこ(wildcat)から、葉書はがきる。



やまってみると

山猫やまねこ裁判さいばんをやっていた。



どんぐり・・・・(acorn)の裁判さいばんだった。

だれが、一番いちばんえらい(great)どんぐり・・・・か、

という裁判さいばんだった。






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JLPT N3 N2: Japanese Short Stories: Osamu Dazai: No Longer Human



人間失格にんげんしっかく』(No Longer Human)を



太宰治だざいおさむ(1909-1948)の

人間失格にんげんしっかく』(No Longer Human)をんでみましょう。



これは、「葉蔵ようぞう」という

一人ひとりおとこ人生じんせい

えがいています。



子供こどもころ学生がくせい時代じだい

女性じょせいとの生活せいかつ

そして、

最後さいごには病気びょうきになります。



はなしは、

この「葉蔵ようぞう」の三枚さんまい写真しゃしんから

はじまります。



すこんでみましょう。



 その子供こども笑顔えがお

 ればるほど

 なんともえない気味きみわるいものを

 かんじる。

 (気味きみわるい:weird)



 そもそも、それは、笑顔えがおではない。



 この

 すこしもわらってはいないのだ。



 なぜなら、

 この

 両方りょうほうこぶし・・・(fist)を

 かたにぎって

 っている。



 人間にんげん

 こぶしをかたにぎりながら

 わらうことはできない。



 さるだ。



 さる笑顔えがおだ。



 ただ

 かお

 みにくしわ・・(wrinkle)が

 あるだけなのである。



 ているひと気分きぶんわるくさせるような、

 そんな奇妙きみょう表情ひょうじょう写真しゃしんであった。



子供こどもころ写真しゃしんです。



奇妙きみょう笑顔えがお



かれは、

わらいたくないのに、

わらっているのです。



かれは、一生いっしょう

人間にんげん理解りかいできない」ことで

くるしみます。



まわりのひとなにかんがえているのか、

わからないのです。



だから、

かれは、

まわりのひとよろこばせようとします。



そのために、

たのしくもないのに、わらっているのです。



それが、「さる笑顔えがお」なのです。



べつ写真しゃしんについてもんでみましょう。



 たとえば

 わたしがこの写真しゃしん

 をとじる。



 すでわたし

 このかおわすれている。



 その部屋へやすわっているおとこかお

 おもせない。



 かお印象いんしょう

 すっとえてしまい

 どうしても、おもせない。



 にならないかおである。



 漫画まんがにもならないかおである。



 をひらく。



 あ、こんなかおだったのか

 とおもす。



 おもしても

 よろこびさえない。



 まるで、

 をひらいて、その写真しゃしんふたたても

 おもせない、

 そんなかおである。



 そうして

 ただけで、

 イライラして、気分きぶんわるくなるようなかおである。



 「んだ人間にんげんかお」でも

 もっとなに

 表情ひょうじょう印象いんしょうがある。



これは、

かれ病気びょうきになって、

生活せいかつできなくなったのち写真しゃしんです。



きていても、

そのかお表情ひょうじょうから

きているなにか」をかんじることができない

そんな写真しゃしんなのです。



この物語ものがたり

そんな「葉蔵ようぞう」の人生じんせいはなしです。



ここまでをんで、

くらはなし

おもったかもしれません。



あるいは、

この小説しょうせつあらすじ・・・・(outline)をんで

そうおもったひとがいるかもしれません。



もちろん

あかるいはなしではないでしょう。



とても、くるしいはなしです。



それは、太宰治だざいおさむかんじていた

くるしさ」でしょう。



そして、

それは、

現代げんだいおおくの人間にんげんっている

くるしさ」でしょう。



おおくのひとが、ひとえないまま、

こころなにっている「くるしさ」……



だから、

現代げんだいおおくのひとが、

この小説しょうせつむのだとおもいます。



そして、

そこに、「希望きぼう」をかんじるのだとおもいます。



ここにかれているのは

絶望ぜつぼう」(despair)ではないとおもいます。



この小説しょうせつむと

くるしくてもきるべきだ」

と、おもってしまうのです。



さて、

この葉蔵ようぞうくるしみの原因げんいんひとつは

ちちにあるのでしょう。



葉蔵ようぞう子供こどもころ

ちちとのあいだきたことを

んでみましょう。



ちちは、

国会こっかい議員ぎいん(a member of the Diet)を

しています。



葉蔵ようぞう家族かぞくは、

青森あおもりんでいますが、

ちちは、ほとんど、東京とうきょうにいます。



ある

ちちは、たくさんの子供こどもあつめて

どんな(東京とうきょうの)「おみやげ」がしいかと

たずねます。



みんな、いろいなものをこたえますが、

葉蔵ようぞうだけは、

こたえられません。



 なにしい?

 とかれると

 とたんに

 なにしくなくなるのでした。



 どうでもいい

 自分じぶんたのしくさせるものなんかない

 とおもってしまうのです

 (どうでもいい:I don't care)



 と、同時どうじ

 ひとからあたえられるものは

 どんなに自分じぶんこのみにわなくても

 それをことわることが出来できませんでした。



 いやなことを、いやえないのです。



 また、きなことにも、

 いようのない恐怖きょうふかんじるのです。



 そして、くるしむのでした。



 つまり、自分じぶんには、

 自分じぶんしいものをえらちからがないのです。



 これが

 自分じぶんの「はじ(shame)のおお人生じんせい」の

 原因げんいんひとつだ

 とおもいます。



 ***



 自分じぶんだまっているので、

 ちち機嫌きげんわるくなりました。



 「やはり、ほんか?



  浅草あさくさ仲店なかみせ

  お正月しょうがつ獅子舞ししまいの獅子しし

  子供こどもあそぶのにいいおおきさのが

  っていたけど

  しくないか?」

 (正月しょうがつ:New Year)

 (獅子舞ししまい:a lion dance(獅子しし:lion))



 しくないか?

 とわれると

 もう駄目だめなんです。



 「ほんが、いいでしょう」

 一番いちばんうえあに

 まじめなかおをして

 いました。



 「そうか」

 ちち

 がっかりしたかお

 なにこうともせずに

 その手帳てちょう(notebook)をじてしまいました。



葉蔵ようぞうは、

ちち機嫌きげんわるくなったことが

おそろしくなります。



ちちなにをされるか、わからない

おもいます。



そうおもうと

とてもこわくなりました。



そこで、

かれは、ちちよろこばせるために、

よる

だれにもつからないように

ちち手帳てちょう(notebook)に、

「シシマイ(獅子舞ししまい)」ときます。



かれは、

獅子舞ししまい」など、しくなかったのです。



それでも、

かれは、ちちよろこばせようとします。



そして、

それは、成功せいこうします。



東京とうきょうからかえってちち

とてもよろこんでいます。



 「仲店なかみせの、おもちゃ

  この手帳てちょうひらいたら

  これ、ここに

  シシマイ、といてある。



  これは

  わたしではない。



  なんだろう、とおもいました。



  そして

  わかりました。



  これは

  葉蔵ようぞういたずら・・・・ですよ。



  あいつは

  わたしいたときには

  だまっていたが

  あとで

  獅子しししくなったんだね。



  なにしろ

  どうも

  あれは

  わったやつですからね。



  なにわなかったのに、

  ちゃんといている。



  そんなにしかったのなら

  そうえばよいのに……。



  わたし

  おもちゃまえわらいましたよ。



  葉蔵ようぞうをここへびなさい」



ちちは、

葉蔵ようぞう本当ほんとう気持きもちを

理解りかいしていないのです。



そして、

葉蔵ようぞうは、

このようなことをかえしながら、



他人たにんよろこばせるために、

自分じぶんたいしてうそをつく、

というかたをするようになります。






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JLPT N3: Japanese Short Stories: Osamu Dazai: Run, Melos, Run



はしれメロス』を



太宰治だざいおさむ(1909-1948)の

はしれメロス』(Run, Melos, Run)をんでいきましょう。



これは、

1940ねんかれた

みじか小説しょうせつです。



太宰治だざいおさむ小説しょうせつでは、

この『はしれメロス』と、『人間にんげん失格しっかく』(No Longer Human)が

もっと有名ゆうめいです。



はしれメロス』は

小学校しょうがっこう教科書きょうかしょでも、使つかわれており

日本人にほんじんのほとんどがんでいる小説しょうせつです。



 メロスは、とてもおこった。



 かならず、あのわるおうころさなければならない

 と決心けっしんした。



このはなしは、

メロスが、わるおうころそう

おもうところから、

はじまります。





(メロス)



メロスは、

うそきらいな

正直しょうじきおとこです。



メロスには、おやが、いません。

いもうと二人ふたり生活せいかつしています。



まちからとおむら

ひつじ(sheep)をそだてて生活せいかつしています。



いもうと結婚けっこんするので

そのために、ものふくおうとして

まちました。



しかし、

まちが、とてもしずかなので

おどろきました。



一人ひとり老人ろうじん

その理由りゆう

メロスにはなします。



 「おうが、ひところします」



 「なぜ、ころすのだ?」



 「人々ひとびとわるいことをかんがえているからだ、

  とおういます。



  でも、だれも、

  そんなことをかんがえていません」



 「たくさんのひところしたのか?」



 「はい。

  はじめは、おういもうとおっとを。

  それから、自分じぶん子供こどもを。

  それから、いもうとを。

  それから、いもうと子供こどもを。

  それから、つまを」



 「おどろいた。



  おうは、くるったのか?」



 「いいえ。

  くるったのでは、ありません。



  ひとを、しんじることができないのです。



  家来けらい(vassal)も、しんじることができないのです。



  贅沢ぜいたく生活せいかつをしているひとには、

  人質ひとじち(hostage)をすように、命令めいれいします。



  命令めいれいしたがわないと、ころされます。



  今日きょうは、六人ろくにんころされました」



 それをいて、メロスは、とてもおこりました。



 「ひどいおうだ。



  ころさなければならない」



このようにして

メロスは、

おうころそうとおもいます。



メロスは、

とても単純たんじゅん人間にんげんでした。



むずかしいことは

かんがえません。



おうころそうとして、

しろきます。



そして、

つかまります。



メロスは

おうころそうとしたつみ

ころされることになります。



そのとき

メロスは、

いもうとのことをおもします。



そこで、

おう

三日みっかってくれとたのみます。



そのあいだに、

むらかえって

いもうと結婚けっこんさせたい、といます。



しかし、

おう信用しんようしません。



 「わたしは、もう

  覚悟かくごができている。

  ただ、――」

 とって

 メロスは、すこだまった。



 そして、った。

 「ころすのを

  三日みっかってください。



  たった一人ひとりいもうと

  結婚けっこんさせたいのです。



  三日みっかあいだに、

  わたしは、むら結婚式けっこんしきおこな

  ここへかえってます」



 「馬鹿ばかな!」

 とおう

 ひくこえわらった。



 「うそだ。



  げた小鳥ことりは、かえってない」



 「いいえ。

  かえってます」

 メロスはった。



 「わたし約束やくそくまもります。



  わたし三日みっかだけください。



  もしわたししんじられないなら……



  このまち

  セリヌンティウスという親友しんゆうが、います。



  かれを、人質ひとじち(hostage)として

  ここにいてこう。



  わたしげて

  三日目みっかめれるまえ

  かえってなかったら

  かれころしてください」



セリヌンティウスは

メロスの親友しんゆうです。



いまは、

まち石工せっこう(stone mason)の仕事しごと

しています。



メロスが

このようにっても

おう

メロスをしんじません。



おう

つぎのようにかんがえます。



 それをいて、おうおもった。



 (このおとこは、きっと、かえってない。



  だから、このおとこかせるのだ。



  そして、三日目みっかめに、わたしは、かなしそうにう。



  だから、ひと信用しんようしてはならないのだと。



  そして、人質ひとじちおとこころす)



 「ねがいを、いた。



  そのおとこべ。



  三日目みっかめれるまえに、かえってい。



  おくれたら、そのおとこころす。



  ちょっとおくれてい!



  おまえつみ永遠えいえんゆるしてやる」



 「なに……

  なにう!」



 「はは。

  いのち大事だいじだったら、おくれてい。

  おまえかんがえは、わかっている」



このようにして、

セリヌンティウスは

しろばれます。



そして、

メロスは、むらかえることになります。



おうはメロスをしんじていない……

セリヌンティウスはメロスをしんじている……



約束やくそくまもって、かえってくれば、

メロスはころされる……

しかし、メロスがかえってなければ

セリヌンティウスが、ころされる……



このようにしてはなしはじまります。





結婚式けっこんしき



メロスが

まちからむらかえったのは

つぎあさでした。



そして、

そのつぎに、

メロスのいもうと結婚式けっこんしきおこなわれます。



メロスは、

まちきたことをだれにも

いません。



みんなは、

陽気ようきさわぎます。



メロスも

すこしだけ、たのしい気分きぶんになります。



 結婚式けっこんしき

 つぎひるおこなわれた。



 二人ふたり神々かみがみへの言葉ことば

 えたとき

 くろくもが、そらおおはじめた。



 あめはじめた。



 やがて、あめはげしくなった。



 むらひとたちは

 なにわるいことがきるようながした。



 それでも、陽気ようきうたうたった。



 メロスも、しばらくは

 おうとの約束やくそくわすれていた。



 よるになって、

 結婚式けっこんしきにぎやかになった。



 人々ひとびとは、そとあめわすれた。



 メロスは、このまま、ここに、いたい、とおもった。



 しかし、いまは、このからだ

 自分じぶんからだではない。



 メロスは、出発しゅっぱつする決心けっしんをした。



そのつぎ

三日目みっかめに、

メロスは、むらから出発しゅっぱつします。



それは、約束やくそくです。



そののうちに、

まちかえらなければなりません。



もし、かえれなければ、

親友しんゆうころされます。



まだ、時間じかん

十分じゅうぶんにある

と、おもっていました。



しかし、

メロスのまえに、

いくつかの困難こんなんきます。



そのひとつが

かわです。



まえあめ

はしこわれていたのです。



ふねもありません。



みずは、はげしくながれています。



かわわたることができないのです。



メロスはかみいのります。



 メロスはいて、ゼウス(Zeus)にいのった。



 「ああ、たすけてください!



  ときぎてきます。



  すでひるです。



  れるまでに、しろかなければ

  親友しんゆう

  わたしのためにぬのです」



 しかし、かわみずはげしくながれている。



 そして、ときえてく。



 メロスは覚悟かくごした。



 およ以外いがいにない。



 (ああ、かみよ。ていてください。



  はげしいかわながれにけない

  あい友情ゆうじょうちからを)



 メロスは、っているすべてのちから

 およはじめた。



 かみ

 その姿すがたあわれにおもったのか。



 メロスは、

 反対はんたいきしを、

 つかむことが出来できたのである。



なんとか、かわわたったメロスは、

今度こんどは、やまで、

山賊さんぞく(bandit)にいます。



山賊さんぞく

おう命令めいれいで、

メロスをっていたのです。



そして

メロスをころそうとします。



しかし、

メロスは、

山賊さんぞくたおします。



かわおよいでわたり、

山賊さんぞくたおしたメロスは

はしつづけます。



ところが、

メロスはつかれて

はしれなくなります。



ついに

たおれてしまいます。



つかれていたのは、

かれからだだけではありません。



かれこころ

わりはじめます。



 メロスは、くさうえた。



 からだつかれると

 精神せいしんつかれる。



 (もう、どうなっても、かまわない!)



 勇気ゆうきあるものに、似合にあわない気持きもちになった。



***



 (おうわたし

  『すこおくれてい』

  とった。



  おくれたら、人質ひとじちころして

  わたしたすける、

  と約束やくそくした。



  わたしおういかりをかんじた。



  けれども、いまわたし

  おううままだ。



  わたしおくれてくだろう。



  おうわたしわら

  そして、わたしゆるすだろう。



  それは、つらい。



  セリヌンティウス、

  わたしぬ。



  きみ一緒いっしょぬ。



  きみだけは

  わたししんじてくれる。



  いや、むしろ

  わる人間にんげんとしてきよう。



  むらには

  わたしいえがある。



  ひつじもいる。



  いもうと夫婦ふうふ

  きっと、一緒いっしょんでくれるだろう。



  正直しょうじきとか、あいとかは、

  らない。



  ひところして、自分じぶんきる。



  それが人間にんげんかただ。



  わたしうそをついた!)



 メロスは、手足てあしをのばして、ねむった。



しかし、

メロスは

ふたたまします。



そして

がり、

はしはじめるのです。



 メロスはおもった。



 (れるまでには

  まだ時間じかんがある。



  わたしを、っているひとがいる。

  わたしは、しんじられている。



  わたしいのちなど、問題もんだいではない。



  わたしは、約束やくそくまもらなければならない。



  いまは、それだけだ。

  はしれ! メロス





はしれ、メロス!)



メロスははしります。



しかし、しずんでいきます。



もう、セリヌンティウスはころされた……

という、人々ひとびと会話かいわさえ

こえてます。



そこへ、

セリヌンティウスと一緒いっしょはたらいている

フィロストラトスがます。



かれは、

メロスがはしるのをめようとします。



わなかったのだ

います。



もう、駄目だめ

います。



しかし、メロスは

まりません。



メロスは

はしります。



 わかおとこさけんだ。



 そのわかおとこ

 メロスのあとはしった。



 「もう、駄目だめです。



  無駄むだです。



  はしるのはめてください。



  もう、たすけることは出来できません」



 「いや、まだしずんでいない」



 「いまころされるところです。



  ああ、あなたはおそかった。



  もうすこし、はやかったなら!」



 「いや、まだしずんでいない」



 メロスは、

 あかおおきな太陽たいようだけを

 ていた。



 はし以外いがいにない。



 「めてください。

  はしるのは、めてください。



  いまは、あなたのいのち大事だいじです。



  あのひとは、あなたをしんじていました。



  おうなにっても

  『メロスはます』

  とこたえました。



  あのひとは、あなたをつよしんじていました」



 「だから、はしるのだ。



  しんじられている。

  だから、はしるのだ。



  うか

  わないかは

  問題もんだいではない。



  ひといのち

  問題もんだいではない。



  わたし

  もっとおおきなもの・・ため・・はしっている。



  さあ、こう!

  フィロストラトス!」



メロスははしりました。



そして

メロスは、ついに、きます。



 メロスははしった。



 まだ、しずまない。



 最後さいごちから使つかって

 メロスははしった。



 メロスは、なにかんがえていなかった。



 ただ、なにおおきなちからが、

 メロスをはしらせていた。



 しずんだ、そのときだ。

 最後さいごひかりえた、そのときだ。



 メロスは、いた。



 った。



 「て。



  そのひところしてはならない。



  メロスがかえってた。

  約束やくそくまもった。



  いまかえってた」



う、

メロスとセリヌンティウスをおう

います。



 おうディオニスは

 人々ひとびとうしろから二人ふたり

 ていた



 そして、二人ふたりちかくに

 かおあかくして

 った。



 「おまえらは、わたしこころった。



  ひとしんじるということは

  妄想もうそう(delusion)ではなかった。



  わたしも、おまえらの仲間なかまれてくれ」




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